【小説】オーシャンゲーム 第一話

俺の名は海野幸男(うみのさちお)・・大学2年生だ。自分で言うのもあれだが、俺はしょうもない大学生だ。毎日のように授業をさぼり、毎日のように酒を飲み、たまにバイトする程度のどこにでもいるしょうもない大学生だ。

そんな俺だが、あるサークルに所属している。

サークルの名は「オーシャンズ」

名前はかっこいいが、まあ端的に言うとただの飲みサーだ。なにも頑張りたくないけど、とりあえずサークルに入って後々の就職活動で

「サークルでサブリーダーやってました!」

「サークルで会計やってました!」

等とアピールをしたいだけのやつらが集まるしょうもないサークルである。そもそも就職活動というのはただの嘘つき合戦だから、サークルに入る意味がないのではと俺は思う。

この飲みサーは週1で飲んだくれて、気分でカラオケオールをするというしょうもないサークルなんだが、ある日サークルの金剛寺先輩がこういった。

「お前ら、来週の金曜日からゴールデンウイークだな!急だけどよ!俺のオヤジのクルーザーで別荘に行かないか?」

そう、何を隠そう金剛寺先輩は社長の息子である。買い物は全て親のクレジットカードで済ませ、何に使うかは知らんがスマートフォン複数台持ち、ポケットwifiに至ってはなぜか2つ持っている。

あまり言いたくはないんだが、おそらく複数人の愛人がいるんだろう。金剛寺先輩がなぜこの大学にいるのか疑問を抱く人も多いのだが、彼がこの大学を選んだ理由は「行きつけのクラブが近いから」という、ただそれだけなのだ。

金剛寺先輩の問いかけに一番最初に返事したのは、サークルNo2の美少女・・・辰野落子(たつのおとしこ)・・俺と同じ2年生だ。

「はい!!いきまぁす!!みんなもいくよね!?ね!?」

辰野はお世辞抜きでかわいい。だが、サークルの姫的な要素を持ち合わせており、大学内で何人もの男と付き合っているという噂がある。端的に言えば・・・ビッチだ。

ビッチなのにも関わらず、他の女子からの信頼も厚く彼女の問いかけには思わず反応せざるをえない。

「まぁ~辰野ちゃんが言うならいってもいいかなぁ~。」

「最近、どこかいきたいな~って思ってたんだ~」

複数の女子が辰野に便乗するかのようにざわざわしている。

「まぁ・・・辰野がいくのなら・・俺も・・。」

「ハァ!?辰野ちゃんいくのぉ!?俺も俺も!」

女子だけでなく男子たちも思わず辰野に賛同してしまう。それくらい辰野はすごいのだ。そんな辰野に反応する男女の中で一人だけ浮いてる女子がいた。

正直この女はなぜこのサークルにいるのか分からない。端的に言うとミステリアス女子だ。

名前は「深海ノリコ」苗字に負けない暗さとミステリアスさを持つ謎の女子だ。しかしこの深海、俺からすれば辰野よりタイプだ。一定の需要があると俺は思う。

そんな深海に金剛寺先輩が話しかける。

「おう!深海、お前もクルーザーで別荘行かないか!?」

金髪で鼻の穴がでかい金剛寺先輩と、黒髪で小柄な深海。並ぶとものすごい対照的だ。

「・・・・・」

深海は黙り込んでいる。しかしいつもはポーカーフェイスの深海だが、何かを悟った表情を見せ、答えた。

「いいわ。」

そう言って深海はサークルの部屋から立ち去った。深海がいる別荘旅行・・悪くないな。俺も行くか。

「金剛寺先輩!俺も行きます!」

俺は金剛寺先輩に話しかけた。

「おう、海野!お前なら来てくれると信じてたぜ!!」

誰にでも同じ対応をする金剛寺先輩。鼻の穴はでかいが、正直いい人だと思う。これが金持ちの余裕ってやつなのだろうか。

「よぉーーーーーーし!来週の金曜日!!東京駅集合な!!」

「おーーーーー!!!!!!!」

こうしてサークルの50人中40人が行くことになった。そもそもお前らゴールデンウィーク10日前だぞ。予定はなかったのか。まぁ俺もなんだが。

こうして一同は金剛寺先輩のクルーザーで別荘に向かうことになった。

 

【次回予告】

金剛寺先輩の別荘に向かうことになったオーシャンズの40人。しかしクルーザー内に不穏な影が・・・

「やだ・・・これ人の手じゃない・・?」

「誰かがびっくりグッズでも持ってきたんだろー。よくできたにせもn・・」

 

続くかは不明。